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代表が建設の道に入ったきっかけは、決して遠いところにあったわけではない。早くから社会に出た代表は、こう振り返る。「知り合いが造園をやっていて、最初はそこからスタートして。その後は土木をやっている知り合いに声をかけてもらって、土木を始めました。自分の実家も土木の仕事をやってるので、ちょっとそっちの方に興味もあって、じゃあやってみようかなっていう感じで始めました」
祖父や叔父が土木業に携わる家庭で育った代表にとって、建設の現場はごく身近な存在だった。知り合いからの誘いと家族の背中が重なり、自然と業界への一歩を踏み出した。
22歳で若林興業を創業し、今年で6年目。中小建設業において独立開業のハードルは高いが、代表は若さを武器に着実に実績を積み上げてきた。現在は土木・外構・解体工事の三本柱で事業を展開し、なかでも外構工事をメインに手がけている。元請けから仕事を振ってもらう形で複数社と取引し、「仕事がないということは今まで一度もない」という状況を築き上げた。
若林興業が元請けから支持される理由はどこにあるのか。代表は迷わずこう答えた。「いろんなことができるっていうところだと思いますね」
土木・外構・解体と、異なる工種を一社で対応できる幅広さは、中小建設業にとって大きな強みだ。東京・埼玉・神奈川とエリアを問わず柔軟に対応し、代表一人で動ける案件は一人で、人手が必要な場面では協力会社に声をかけて対応する。この体制が、元請けから見た若林興業の頼れる存在感につながっている。
現在は戸建ての外構工事を手掛けることが多く、設計・営業を行う元請け企業から安定的に仕事を受注している。複数の元請けと取引関係を築き、「仕事がないということは今まで一度もない」という状況を維持できているのも、幅広い対応力と現場での実直な仕事ぶりが積み重なった結果といえる。
中小建設業が抱える人手不足の課題は、若林興業も例外ではない。昨年12月と今年2月に立て続けに従業員が退職し、現在は代表一人で現場を切り盛りしている。「今まさに食らってますね。結構」と率直に語りながらも、協力会社と連携しながら仕事を着実にこなし、現場を止めることなく前に進み続けている。
受注体制についても、現在の元請け依存から脱し、ゆくゆくはエンドユーザーからの直接受注を目指すという明確な方向性を持っている。「目指すところはそこで」と言葉に力を込める代表の視線は、すでに次のステージを見据えている。自ら営業に出る時間が取りづらい一人親方だからこそ、仕事の質と信頼の積み重ねが、次の案件につながっていく。
代表が現場に立ち続けられる根底には、建設業そのものへの確かな手応えがある。「やればやるほど稼げる。ちゃんとやったら結果がついてくる職業」と建設業の魅力を語る。AIによって事務職などが代替されていく時代においても、「技術さえあれば仕事はなくならない」という確信を持ち、日々の現場でその技術を磨き続けている。
代表が描く会社の未来像は明確だ。「自社施工にこだわっていこうかなと思ってますね」
外構工事の現場では、工種ごとに協力会社へ発注するスタイルが一般的だ。しかし代表はそれを一社で完結させることを目指している。「タイル工事はタイル屋さん、土間は土間屋さんみたいに結構分けてる人が多いんですけど、そういうのを全部自社で施工を、っていうのはこだわっていこうかなと思ってますね」
依頼する側からすれば、ワンストップで対応してもらえる会社は圧倒的に話が早い。それが選ばれ続ける理由にもなる。そのためにも自身の技術を磨き続け、まずは自分含めて3人体制を実現することが当面の目標だ。「一人はちょっときついですね。いろんな面で」と率直に語りながらも、着実に仲間を増やしていく意志は固い。
建設業界に入ろうとしている若い世代へも、こんなメッセージを送る。「技術があれば絶対に仕事はあるんで、みんなどんどんやってほしいなと思いますね」。AI時代でも手に職があれば揺るがない。その言葉は、22歳で独立し、仲間と現場を重ねながら6年をかけて積み上げてきた代表だからこそ持つ、確かな重みがある。
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「建設円陣PLUS編集部」は、建設業界に特化したプラットフォーム「建設円陣」を運営する株式会社エンジョイワークスの編集チームです。中小建設業の経営・人材・現場課題を、国土交通省・厚生労働省、業界専門紙や公的機関の情報をもとに解説します。
取材を通じて感じたのは、若林代表の「自分の手で全部やり遂げたい」という職人気質の一貫したこだわりでした。22歳で独立し、人手が足りない厳しい状況の中でも現場を止めることなく走り続ける姿は、まさに孤軍奮闘という言葉がふさわしい。それでも代表の口から弱音は聞こえてこない。「やればやるほど結果がついてくる」という言葉には、現場で積み重ねてきた経験と自信が滲んでいました。代表の想いや仕事へのこだわりに共感する仲間が一人また一人と集まることで、若林興業がさらに大きな力を発揮していく日が来ることを、編集部としても楽しみにしています。