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毎年夏、建設現場では熱中症対策が大きな課題になっています。🌡️
「暑くて作業を止めたいけど、止めたら工程が遅れる」「休憩を増やせば労務費や現場コストが増える」——そんな板挟みに悩む現場監督や経営者、職人の方も多いのではないでしょうか。
とくに近年は猛暑日が増え、公共工事でも“暑さを前提にした工程管理”が求められる場面が増えています。
実は、国がこの問題に正面から向き合い、2026年3月31日に重要な制度改正を発表しました。国土交通省大臣官房官庁営繕部計画課が、「『営繕積算方式』活用マニュアル」を改定し、猛暑対策の取組を大幅に拡充したのです。
背景には、「建設工事における猛暑対策サポートパッケージ」(令和7年12月)という政府の方針があります。🏛️ 今後も猛暑が続くと想定される中、受注者がより柔軟に施工時期・時間・方法を選択できる環境を整えるため、具体的な費用の確保まで踏み込んだ内容になっています。
今回の改定でとくに注目すべきなのが、猛暑による作業中断等に伴う労務費の割増し(試行)です。令和8年度から試行が始まります。
これまでは「熱中症対策に関する費用の計上」や「猛暑を考慮した工期設定」は制度上できましたが、作業を実際に止めた場合の労務費は積算しにくい状況でした。😓 今回はこの部分に直接メスが入り、猛暑期間・猛暑時間中に現場施工を回避することに伴うコストを、受発注者間の協議を通じて適切に反映できるようになります。
さらに、技術提案評価型S型という仕組みを活用して、生産性向上に資する技術を採用した熱中症対策の提案を評価する制度も新たに設けられます。🏗️ 現場で創意工夫をした事業者が正当に評価される方向へ、制度が動き始めています。
※国土交通省資料より
今回の「営繕積算方式」活用マニュアル改定で盛り込まれた猛暑対策は、大きく3つのカテゴリに整理されています。
① 猛暑期間・猛暑時間の作業回避
猛暑による作業不能日数を考慮した工期設定、熱中症のリスクが高い作業が猛暑期間にかからないよう工期を調整することが明記されます。猛暑期間を休工可能とする工事発注の検討や、営繕工事の特性を踏まえた休工の効果についても業界要望等を把握して対応します。また、適切な設計図書の作成により工程の遅延等を防ぎ、猛暑時間帯の現場施工回避を実現するための環境も整備されます。🗓️
② 効率的な施工・作業環境の改善
生産性向上技術を積極的に活用して省人化や現場施工の効率化を図ります。技術提案評価型S型を活用し、生産性向上に資する技術を採用した熱中症対策の提案を評価する仕組みが新たに加わります。🤖
③ 猛暑対策に必要な経費等の確保
「一般的な熱中症対策」に係る費用を当初の工事費に計上する仕組みが継続されます。「一般的なもの以外の熱中症対策」に係る費用については、受発注者間で協議の上、設計図書の変更により計上できます。そして最大のポイントである、猛暑による作業中断等に伴う労務費の増加費用の積算(試行)が令和8年度から実施されます。💡
猛暑対策が本格化するなか、現場では「休工による工程調整」「作業時間変更」「人員不足への対応」といった課題もこれまで以上に重要になります。👷
とくに中小建設業では、急な人員調整や協力会社探しに苦労するケースも少なくありません。
建設業向けマッチングサイト『建設円陣』では、協力会社探しや人材確保に関する情報収集を無料で行なうことができます。猛暑による工程変更や施工体制の見直しに備える手段の一つとして、こうしたサービスを活用する企業も増えています。
今回の改定では、猛暑対策と並んでもう一つの重要な変更点があります。能登半島地震の被災地など、遠隔地から労働者を確保せざるを得ない場合の費用積算の試行が拡充されます。
被災地では宿泊場所が不足しており、労働者が遠距離通勤せざるを得ない状況が続いています。従来は宿泊費等の負担試行が行なわれていましたが、令和8年3月から新たに「長距離通勤を要する場合」が加わりました。監督職員との協議により、作業時間を標準の8時間より短縮して設定することが可能となり、その短縮時間に応じた労務費の割増しが試行されます。
具体的な割増し係数は以下のとおりです。🔢
* 7時間/日〜7.5時間/日に短縮した場合 → 割増し係数 1.06
* 4時間/日〜7時間/日に短縮した場合 → 割増し係数 1.14
関連通知は令和8年3月23日付けで「国営積第19号・国営整第192号」として発出されています。
※国土交通省資料より
今回の制度変更は、直接的には国の営繕工事(官公庁施設の建設・修繕)を対象とした積算ルールです。しかし、地方整備局等への通知と都道府県・政令指定都市への参考送付を通じて普及・促進が図られるため、公共工事全般に影響が広がることが期待されます。🏢
各種会議や公共建築相談窓口での個別相談対応など、様々な機会を通じて他の公共発注機関に広く情報提供されることで、発注条件の改善が民間への波及効果をも生む可能性があります。
中小建設業者の経営者や現場監督の方は、今後の公共工事の発注仕様書・特記仕様書で、「熱中症対策費用」「猛暑による作業中断」「労務費の積算方法」がどのように記載されるかを確認しておきたいところです。📄
夏場は人員配置や協力会社調整が工程全体に影響しやすいため、早めの情報共有や施工体制の確保も重要になります。
受発注者間の協議が重要な位置づけとなっているため、発注者との事前コミュニケーションを丁寧に行ない、現場状況を正確に伝えることが費用確保につながります。猛暑対応では、工程調整だけでなく人員確保や協力会社との連携も重要になります。日頃から情報交換できるネットワークを持っておくことで、急な現場対応にも動きやすくなります。🤝
🌞 猛暑が年々厳しさを増す中、「暑くても現場を止められない」という現状を変えようとする国の動きが具体化しました。令和8年度から試行が始まる猛暑による作業中断等に伴う労務費の割増し積算は、現場で働く人たちの安全と適正な報酬を守る重要な一歩です。
「営繕積算方式」活用マニュアルの改定内容を理解し、現場での交渉や工程管理に積極的に活用していきましょう。💪
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出典: 営繕工事における猛暑対策と被災地で働く労働者へのサポートを拡充しました〜建設業の働き方改革をより一層推進〜(国土交通省)https://www.mlit.go.jp/report/press/eizen02_hh_000316.html をもとに作成
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「建設円陣PLUS編集部」は、建設業界に特化したプラットフォーム「建設円陣」を運営する株式会社エンジョイワークスの編集チームです。中小建設業の経営・人材・現場課題を、国土交通省・厚生労働省、業界専門紙や公的機関の情報をもとに解説します。