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| 会社名 | イロハトワン株式会社 |
| 代表者 | 森 氏 |
| 所在地 | 埼玉県上尾市(越谷営業所あり) |
| 主な事業 | リフォーム業・不動産業(元請け) |
| 設立 | 2012年6月15日 |
| 関連事業 | 合同会社つなぎ手、個人事業もりもりネット(ネット集客) |
森代表の仕事人生は、約40年前のミシン訪問販売からスタートした。東京銃器工業という一部上場メーカーの訪問販売員として20代を過ごし、営業の基礎を叩き込まれた。その後もさまざまな業種で営業の経験を積み、30代で一度は独立。しかし34歳のときに全てを失う。
「34で全て失って、そこから今の会社を立ち上げました。2012年6月15日に法人を設立しています」と森代表は語る。会社再建の際に選んだのが、リフォームと不動産の組み合わせだった。「衣食住に絡む仕事はなくならないと思ったんです。中でも住に関わる不動産とリフォームは確実なニーズがある」という判断だった。
宅地建物取引士(宅建)の資格は21〜23歳の頃に取得済み。リフォーム会社には38歳のとき半年ほど勤務したが、自ら手を動かす職人仕事はほぼ経験していない。「僕は職人でもなんでもない。元受けとして集客するのが仕事」と明言する。中小建設業にとって、技術よりも集客・営業力で勝負するという発想は、むしろ新鮮な視点かもしれない。
数ある業者の中で、イロハトワンが選ばれる理由はどこにあるのか。森代表は「多能工的なワンストップ対応」を挙げる。たとえばトイレリフォームの場合、一般的には設備屋・水道屋・クロス屋と3人の職人が必要になる。それぞれ個別に手配すると人件費だけで6万円近くなることもある。
「一人の外注さんに全部お願いできれば、お客さんも楽だし費用も抑えられる。一人で何でもできる職人さんを動かすのが、うちの強みの一つです」と説明する。釘一本の修繕から新築工事、不動産売買まで、相談窓口を一本化できる体制は、手間を嫌う現代の顧客心理にマッチしている。
また、集客面では複数のランディングページを使い分ける戦略を採用している。会社のホームページは一つではなく、用途・地域・工種ごとに複数のサイトを用意し、検索のあらゆる入口をカバーする。「どれかに引っかかればいい。全部ヒットしなくていいんです」という発想は、まさに元受け・マーケター目線ならではのものだ。
「人を雇うのは大変」──森代表はこの点を業界最大の課題の一つとして挙げる。実際、同氏は現在ほぼワンオペ経営。社員を抱えることで生じる社会保険料、人件費、そして「病気になったり機嫌が悪かったりするリスク」から距離を置き、多様な外注ネットワークと組み合わせる形を選んでいる。
一方で、AIの活用については積極的だ。ChatGPTを「夜中の2時でも起きていて、病気にも怒りもしない最高の壁打ち相手」と表現し、日常業務の中でフル活用している。集客においても、Googleリスティング広告やポータルサイト(外壁の窓口・暮らしのマーケット等)への出稿に加え、AIを使った情報発信にも取り組んでいる。
中小建設業にとって、大手のスケールメリットと価格競争で戦うことは難しい。森代表は「安さを追う客と品質を求める客では打ち手が変わる。どちらにアプローチするかを明確にしなければ、ただ消耗するだけ」と指摘する。自社のターゲットを絞り、限られたリソースを集中投下することが生き残りの鍵だと語る。
「5年・10年先はわかりません。でも、まずAIをちゃんと使うこと。これが第一歩です」と森代表は言い切る。時代の速度が増す中、昨日の常識が今日の非常識になる。大切なのは常に「未常識」──まだ常識化していない発想を先取りする姿勢だと強調する。
「常識・非常識という言葉はよく使われる。でも僕は若い頃から"未常識"という言葉を使ってきました。これから常識になる非常識のこと。35年ローンが当たり前とか、職人経験がないと独立できないとか、そういう固定観念を疑うところから全てが始まる」と語る。この哲学こそが、ゼロからの再起や多角的な事業展開を可能にしてきた原動力だ。
業界に踏み出す若者へのメッセージは明快だ。「経験や技術がないと始められないという思い込みが一番の壁。僕はそれを証明してきた。大事なのは発想と行動です。お客さんに対して50対50のフェアな関係で向き合い、困りごとを解決できれば、それがビジネスになる」と力強く語った。
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取材を通じて感じたのは、森代表の「固定観念を疑い続ける」という一貫した姿勢でした。職人経験ゼロからワンストップ元受けを実現した歩みは、中小建設業の経営者に多くの示唆を与えてくれます。「未常識」という言葉が象徴するように、時代の一歩先を読み続けることこそが、15年間生き残ってきた森代表の最大の武器なのかもしれません。