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春が終わりに近づき気温が上昇してくると、建設現場において警戒すべき要素は降雨です。特に外構工事や土工事は天候の影響を大きく受ける工程であり、梅雨入り前にどのような段取りを組むかによって、工期や最終的な利益が劇的に変動します。
雨で現場がぬかるみ重機が進入できない、資材搬入が遅れて職人が空く、掘削箇所に水が溜まりやり直しが発生するといったトラブルは毎年頻発しています。これらの問題は単なる工期遅延に留まらず、職人の再手配や近隣対応など、現場全体へ波及する影響を孕んでいます。
特に少人数で現場を回し、重機等の保有台数に余裕がない中小企業では、一度工程が崩れると立て直しに多大な労力を要します。したがって降雨を前提とした事前準備は単なる保険ではなく、企業の利益を確実なものにする必須業務といえます。
本記事では、雨が増える時期を前に実施すべき外構・土工事の段取りを解説します。
A1. 最も重要なのは「現場に水を溜めないこと」です。現場が停止する原因の多くは雨そのものより排水能力の不足に起因します。
小規模現場では仮設排水の設置を軽視しがちですが、掘削後の水溜まりや排水先が未定の状況は後々大きな損失を招きます。水中ポンプの急な手配や砕石の追加投入といった余計なコストを防ぐため、仮設側溝の整備、排水ルートの確保、水勾配の確認、集水ポイントの明確化を事前に行なうことが不可欠です。
※画像はイメージです。
A2. 「掘削後の放置」が最も危険な状態です。
配管工事や資材搬入待ち等で工程に空きが生じることがありますが、梅雨時に掘削状態を長く維持すると、雨水の浸入で法面が崩落する、地盤そのものが緩むといった重大なリスクが生じます。一度ぬかるんだ地盤の復旧には多大な時間と手間がかかるため、「掘る日」と「次の工程」の間隔を極力短く設定することが重要です。
掘削から配管、砕石敷き、転圧までの作業を短期間で一気に完了させる緻密な工程管理が求められます。
A3. 残土処分、砕石搬入、生コンクリートの手配等は「後回しにしないこと」が鉄則です。土が水分を含むとダンプの積載効率が著しく低下し、搬出時間も通常より長くかかります。
さらに梅雨時期は処分場が混雑しやすく、現場に残土が滞留する事態に陥りがちです。残土が現場に溜まると作業スペースが圧迫され、重機の動線が悪化し、現場の安全性が低下するという二次被害を引き起こします。そのため、残土処分先やダンプの手配は可能な限り早い段階で確定させる必要があります。
A4. 「天気待ち工程」を正確に把握し、作業を明確に切り分けることが有効です。
土間コンクリート打設、インターロッキング、左官仕上げ等の工程は、無理に進めると仕上がり不良やクラック等の品質低下に直結します。したがって「晴天でなければできない作業」と「雨天でも進められる作業」を事前に整理します。
土間打設や路盤仕上げは晴天時に集中させ、墨出しや清掃・養生等は雨天時に割り振る工夫により、現場が完全に停止する事態を回避できます。
A5. まず、ブルーシートや土のうを活用した「養生の徹底」が不可欠です。強い雨の日は土砂流出が頻発し、近隣クレームに発展するケースが多く、企業の信用問題に直結します。
これに加え、現場監督が情報を抱え込まない体制構築も重要です。梅雨時は天候確認、工程変更等で判断事項が急増します。LINEグループを用いた天候共有、朝礼での排水確認、雨天時ルールの統一等、小さな改善をチーム全体で実践することが効果的です。情報共有が迅速な会社は、天候変化に強い組織といえるでしょう。
雨が増加する時期を見据えた外構および土工事では、排水計画の立案、掘削工程の最適化、資材の早期手配、徹底した養生、綿密な情報共有といった事前準備が現場の命運を左右します。特別な施策を講じる必要はなく、「雨が降った場合に現場がどうなるか」を想定して行動するだけで安定感は飛躍的に向上するでしょう。
天候の変化を避けることは不可能です。だからこそ、雨天時でも工程が崩れない確固たる段取りを構築できる企業が、生き残り、競争力を獲得していくのかもしれません。
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