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新年度の開始から1ヶ月が経過した5月は、建設業界において事業計画を現実の状況に合わせて修正する極めて重要な時期です。
4月は人員配置や現場の段取り、元請けとの調整に追われ、走りながら考える状態に陥りがちです。当初の計画も、現場が実際に動き始めると、想定以上の人手不足や、利益率の低い案件の増加、新人の育成遅れといった現実とのズレが浮き彫りになります。
変動要素が多い建設業において、5月の段階で計画を見直し、軌道修正を図ることが年間を通じて安定した経営基盤を構築する鍵となります。本稿では、中小規模の建設会社が直面する日々の忙しさから抜け出し、現場の生産性を高めるための具体的な業務改善やITツールの活用法など、5月に実施すべき計画修正のポイントを解説します。
年度初めに「今年こそはDXを推進する」「ITツールを活用して業務効率化を図る」と目標を掲げても、5月の段階で頓挫しているケースが多々見受けられます。中小建設会社では日々の現場対応が最優先となり、新しいシステムの導入や業務改善が後回しにされる傾向が強いからです。
「忙しいから後回し」を繰り返すと毎年同じ課題に直面し、現場の負担は軽減されません。この状況から脱却するためには、大規模なシステム改革を一気に進めるのではなく、現場の手間を削減する小さな改善から着手することが有効です。
例えば、現場の状況をスマートフォンで簡単に共有できる写真管理アプリの導入や、日常的な連絡にLINE WORKSなどのビジネスチャットツールを活用するだけでも、情報伝達の速度は飛躍的に向上します。また、見積書のテンプレートを全社で統一することや、朝礼資料のデータ化も、事務作業の時短術として大きな効果を発揮します。
まずは「今年中に絶対やるべき改善は何か」を明確にし、自社に最適なIT活用を進めることが重要です。
4月に新入社員や新たな協力会社を迎えて理想的な人員計画を立てても、5月には「新人が定着しない」「想定以上に育成に時間がかかる」「特定の熟練作業員に業務が集中している」といった問題が表面化します。一人が離脱した際の影響が大きい建設業において、これを放置したまま夏場の繁忙期に突入すると、作業ミスや労働災害のリスクが高まり、クレームにも直結します。
そのため、5月の段階で現場ごとの必要人数や職長クラスの負担状況、若手育成の進捗を再評価し、実働ベースでの人員計画に修正する必要があります。現場の生産性向上には、適切な人員配置が不可欠です。日々の業務日報をデジタル化して各作業員の負荷状況を可視化するなど、ITツールを活用してチーム全体の負担を平準化する工夫が、人材定着の基盤を強固なものにします。
経営層から頻繁に上がる疑問として、現場が絶えず稼働して売上が増加しているにもかかわらず、最終的な利益が手元に残らないという問題があります。資材価格の高騰や燃料費の上昇が続く現在の建設業界では、売上高よりも粗利益の確保を重視した戦略が不可欠です。
5月の見直しにおいては、利益率の低い案件が増加していないか、古い見積単価のまま工事を引き受けていないかを厳密にチェックする必要があります。加えて、取引先との関係性を見直すことも生産性向上の重要な要素です。単価が不適切で無理な工程を強いる取引先に振り回されていると、現場の疲弊を招き、利益を圧迫する要因となります。
優良な取引先との関係を強化し、不利益をもたらす案件については毅然とした態度で交渉するか、場合によっては断る勇気を持つことも重要です。どの現場が利益を生み出し、どの取引先が安定した関係を築けるのかを整理することが今後の経営を左右します。
※画像はイメージです。
建設業における5月は、4月に立てた計画を現実の稼働状況に合わせて修正する極めて重要な転換期です。日々の電話対応や現場の動きだけで「会社が機能している」と錯覚するのは危険な兆候といえます。
利益率の再評価、実働ベースでの人員配置の最適化、そして写真管理アプリや連絡ツールの導入といった身近なIT活用を通じた業務効率化など、現場目線での着実な改善が求められます。
多忙を極める時期にこそ一度立ち止まり、自社の現状を客観的な数値と現場の実態から見つめ直しましょう。この5月の小さな軌道修正と生産性向上への取り組みが、年間を通じた安定経営へと繋がっていきます。
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