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西岡代表がこの業界に入ったきっかけは、もともとアパレルの販売員として働いていたが、給与水準がメインの稼ぎとして見合わないと感じ、退職を決意。次のステップを考えていたところ、地元の同級生から「小遣い稼ぎにおいでよ」と声をかけられたのがきっかけだった。
「気づいたら現場に通っていた、そんな自然な流れで始まったんです」
その後、親方のもとで5年ほど修行を積み、2014年(平成26年)6月に株式会社西岡工業を設立。法人化も「するつもりはなかった」と言いながらも、大きな仕事の依頼が増えるにつれ自然と会社の規模が拡大していった。
「会社は勝手に大きくなってきた感覚です。一人でいたら何でもできるんですけど、大きい仕事が来たときにどうしようかなと思って、一人二人と増やしていきました」
就職活動が面倒だから、親方にそのまま来ていいと言われたから——そんな実直な出発点から、気づけば従業員5名を抱える会社の代表になっていた。
株式会社西岡工業のメインは防水工事だが、それに付帯する足場工事・屋根工事・外壁のシーリング工事・バルコニーや屋上の防水・内装代行工事まで幅広く対応する。マンションの大規模改修工事も手がけており、一つの現場が半年から1年にわたることも珍しくない。
顧客から選ばれる理由を尋ねると、西岡代表はシンプルにこう答えた。
「腕がいいって言ってもらえますね。あとは、正社員だけじゃなくて専属の外注さんも一つのグループで動いているので、現場が多少増えても対応できる。何かあった時は私がすぐ動けますから、頼む側からすると安心感があると思います」
防水工事やシーリング工事は、施工の質が直接「雨漏りするかどうか」に直結する仕事だ。誤魔化しがきかない分、作業手順をきちんと守り、最後まで丁寧に仕上げることが何より大切になる。住民が暮らすマンションの中での工事という環境でも、「最後は喜んでもらえるように作業を進める」という姿勢を貫いている。
中小建設業にとって、技術と信頼の積み重ねこそが最大の営業ツールであることを体現している。
建設業界全体が直面している人手不足は、西岡工業も例外ではない。現在5名の従業員のうち2名はインドネシア人の技能実習生だ。常に仲間を募集している状態だという。「できる人」に対しては手厚く報いるスタンスを明確にしている。技術が上がれば給料をプラスし、仕事ができるようになれば会社の車を渡して直行直帰を認める。実習生であっても、飲み込みが早ければそれに見合う待遇を渡すという。
「インドネシア人だから安く使おうという感覚はないんですよ。できる人にはちゃんと渡そうというスタンスです」
採用よりも既存の人材を育て、仕事が仕事を呼ぶ好循環をつくることで、リピート受注が途切れない体制を維持している。「一度任せてよかったと思ってもらえれば、次も自然と声がかかる」——そのシンプルな積み重ねが、仕事が途切れない会社をつくり上げてきた。
今後の展望について尋ねると、西岡代表は「資格を取って入札に参加していきたい」という目標を明かしてくれた。現在は元請け・一次業者・二次業者といったルートでの受注が中心だが、公共工事への参加も視野に入れている。
控えめな言い方ながら、着実に次のステップを見据えているのが伝わってくる。会社の規模拡大を強く意識するよりも、信頼と技術を積み上げた結果として仕事と規模がついてくるという考え方は、創業からの一貫したスタンスだ。
「信用して注文してもらっているから、それを裏切らないように結果で答えを出す。それだけです」
この言葉こそが、株式会社西岡工業を動かしてきた根幹にある。仕事を頼む側が最も求めているのは、約束を守り、品質で誠実に応えてくれる職人だ。西岡代表はその当たり前をただ愚直に続けることで、20年近く仕事が尽きない会社をつくり上げてきた。
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取材を通じて印象的だったのは、西岡代表の「真面目にやっていれば周りが勝手に落ちていく」という言葉でした。飾らない実直さこそが、20年間仕事を切らさない最大の武器なのだと感じました。