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佐藤氏の建設業との縁は、幼い頃から始まっていた。父親が重機を扱う管理会社を経営しており、建設・土木の世界が身近にあった。しかし佐藤氏は「外に出ないと、本当の土木屋にはなれない」という信念のもと、あえて他社に就職。一般作業員としてゼロからキャリアを積み直すことを選んだ。
他社での勤務期間は15年に及ぶ。その間に資格を取得し、役員の職にも就いた。「経営することが夢だった」という言葉通り、勤務先での経験と会社の事情、そして自身の強い意志が重なった40歳のとき、仲間2名とともに会社を興す決断を下した。
「強みを一言で挙げるとしたら何ですか」という問いに、佐藤氏は少し考えてから答えた。
同社の現在の従業員数は11名。そのうち50代が約8割を占め、40代・60代がそれに続く。ほとんどのメンバーが10年以上のベテランで、定年を機に辞めていく以外の離職はほぼないという。
現在の従業員構成を聞いて、佐藤氏は率直に課題を口にした。「新規採用がまったくない状態」だという。かつてはピーク時に20名超の体制だったが、定年退職が続き現在は11名。しかも50代が中心という構成は、今後数年で急速に現場戦力が減っていく可能性を示している。
この課題に対して同社が取り組んでいるのが、TikTokを使った情報発信だ。
採用に対するスタンスは、焦りではなく「縁を大切に」という姿勢だ。「何が何でも入れていきたいというわけではない。うちで働きたいと思ってくれる人が見つかればいい」という言葉には、長年かけて築いてきた職場の文化を安易に壊したくないという想いが滲む。若い人材に対しては、資格取得費用の会社全額負担など、惜しみなくサポートする準備もできている。
安全管理についても、社長自身が毎月各現場に足を運び、安全周知会を開催している。直行直帰のスタイルで働くメンバーが多い中でも、こうした定期的なコミュニケーションの場が、現場のチームワークと安全意識を下支えしている。
「5年後、10年後の会社をどうしたいか」という問いに、佐藤氏はシンプルな言葉で答えた。
若い世代へのメッセージとして印象的だったのは、「ものづくりの楽しさを分かってほしい」という言葉だ。
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「建設円陣PLUS編集部」は、建設業界に特化したプラットフォーム「建設円陣」を運営する株式会社エンジョイワークスの編集チームです。中小建設業の経営・人材・現場課題を、国土交通省・厚生労働省、業界専門紙や公的機関の情報をもとに解説します。
取材を通じて感じたのは、佐藤社長の「信頼を積み重ねることへの一貫したこだわり」でした。派手さはないが、誠実に現場と向き合い続けてきた40年。その積み重ねこそが、同社の最大の強みです。